アマゾンと商業地代
アマゾンのようなプラットフォームはいろいろと解釈があってまだ、最終的な結論はないが、ここでは、素直に商業資本の発展とすると、以下のように考えてみることができる
そのプラットフォームでは売買の集中があり、そこで売ることによっては販売量の増加、流通費用の節減が見込まれる。そうすると超過利潤を得る可能があるので、その超過利潤は地代としてプラットフォームの形成者が受け取ることになる。生産過程の地代とは異なり、原価レベルで確定的に差の出る超過利潤ではないので、「商業地代」という特別な地代となる。
次に式で示してみる。排他的に制限された条件を利用することで、販売量の増加や流通費用の節減が可能であれば超過利潤が生じる。販売価格Ps、買取価格Pw、流通費用総額k、商業資本Cz、販売数量Qとし、その条件を用いた場合の変化分Δで示すと商業地代は以下のようになる。
ここで排他的に制限された販売条件は、本源的自然力の一種となる。基本的にはタイプ1といえよう。
現実のアマゾンはおそらく商業資本そのものから始まり、他の商業資本である出品者も、売買の集中が起きるアマゾンで販売するようになり、アマゾンはプラットフォームになった。その際には、他の資本の販売にかかわる様々な行為を代行する。これは産業資本といえる役割である。さらにこのプラットフォームがより効率的になるように、アマゾンは本源的自然力を改善しているといえる。
アマゾン自身が商品を仕入れて販売する商業資本、販売代行業業務(サービス)の作成(生産過程)と販売(流通過程)を担う(分化前の原初的)産業資本、商業地代を生む本源的自然力を生成し所有する本源的自然力所有者、の三つの性質があるといえるだろう。 商業地代をもたらす本源的自然力として、多数の売買のから生じる効果では、アマゾンなどのプラットフォームの他に、ショッピングセンターなどもありうる。また、売買の集中以外にも、個別の商品のレベルでは、個別的販売の偶然性に対するコントロールの試みの一つとして、使用価値を副次的に差異化する競争的使用価値も、商業における本源的自然力と地代を構成する。
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