「変容論的アプローチの適用」の段階論と現代資本主義論への適用-9(完):まとめの表

 


 これまで1~8までで論じたことに、債券市場、株式、景気循環の開口部を追加すると以下の表になる。 

開口部(変更のポイント)まとめ

開口部または変容のポイント

変容(分岐)

流通論

商品

さまざま(有体物、他者の行為、知識、外的自然など)

貨幣

物品貨幣

信用貨幣(中央銀行券)

資本

個人資本家

結合資本

生産論

労働過程

目的設定

手段設計

逐次制御

労働組織

マニュファクチュア型

機械制大工業型

賃金制度

主体性の外形化・熟練の外部化

主体性の誘発・熟練の養成

労働者階級の社会的生活過程

非市場的

市場的

機構論

利潤の測定

価値増殖

価値増加

本源的自然力の性質

特定の有体物と分離不能

特定の有体物と分離可能

本源的自然力の改善の主体

改善者と利用者が異なる

改善者と利用者が同じ

銀行間組織

水平的

垂直的

商業機構:変容α

組織的な関係

スポット的な関係

商業機構:変容β

産業資本から編成

商業資本からの再編成

債券市場

株式市場

景気循環

好況と不況の不連続な相転移

連続的な相転移

以上は作業仮説である。個々の開口部はそこからさらに研究を発展でき、さらに複数の開口部での連鎖も議論できる。変容論的アプローチは原理論にとどまらず、段階論や現代資本主義論へと応用すれば今後、さらに実りの大きい研究が開かれるだろう。


コメント

人気の投稿