韓国銀行(中央銀行)のバランスシート(1970-2024)(1/11変更)
データはECOS https://ecos.bok.or.kr/mobile/
韓国の銀行制度や中銀について詳しくないが、以下、中銀のBSを概観する。
1970年1月から月次データが利用できる。 ECOSのデータでは名目GDPは年次で2023年までしかないので、年次のデータからHPフィルターでトレンドを出し、対数線形補完で月次と、2024年分を推計した。
SDR関連の資産と負債は同額が、資産と負債にあるため、資産と負債の両方でSDR関連のものを差し引いた。
資産は以下の通り。
元のデータで「その他の国内資産」が多い。1997年10月に「その他の国内資産」が急増し、その後、外国資産が大半を占める状況が続く。負債純資産は以下の通り
通貨安定化証券は中銀手形に相当するものだろう。大雑把に言って、1997年通貨危機の後、資産での外国資産の増加に対して、負債での通貨安定化証券の増加が対応している。
先進国にみられるリーマンショック後の大規模資産購入はされていないようである。
純資産はマイナスになることがある。最も大きなマイナスは1989年4月のGDP比-0.0075である。
準備預金はほぼ一定の額になっている。同じECOSのデータに1.4.3.1. Reserves of Commercial and Specialized Banks があり、そこで商業銀行の所要準備、超過準備を見ることができる。
超過準備はコロナ対策の時期のみにみられる。
「その他の預金」について。ECOSのデータでは預金BCAA212と、政府預金BCAA213がもともと分かれており(番号からもわかる)、預金の中に準備BCAA2121、非金融企業預金BCAA2123がある。引き算すると残りがグラフで示した「その他の預金」になる。
他方、韓国銀行のannual report では以下の分類になる。
4. Government deposits
5. Deposits
a. Checking deposits
b. Liquidity adjustment deposits
c. Temporary deposits
d. Due to banks on demand
e. Other foreign deposits
準備とChecking depositsがほぼ同額、「その他の預金」とDue to banks on demandが全く同じ額になる。したがって「その他の預金」は準備預金(超過準備を含む)以外の、市中銀行の当座預金になる。
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