スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

注目

2024年度研究会の備忘録

  2024年度も原理論の研究者と、金融分野の現状分析研究者との合同研究会を続けてきた。その際のメモを記しておく。 超過準備が大量に存在しても、中央銀行による短期銀行間利子率の誘導は可能である。中銀当座預金に利子をつけることで下限を設定することができる。上限は中銀貸出の利子率による。この差がコリドー。ただしコリドーで完全にやってしまうと、市場の機能を損なう、という懸念があるらしい。 準備預金というのは何か、ということが話題になった。中銀のBSを調べていると、法定準備以外は準備預金とは言わない。その他の中銀預金、というような言い方になる。 中銀が支払う預金金利を上げれば中銀の利益が大きな赤字になることがある。これは重要視する人としない人がいる。まずは、経常収益の赤字と特別損失の問題に分けるべき。信用貨幣の商品価値の根拠という面からは、特別損失が問題であって、経常収益の赤字は比較的、軽い問題だろう。 中銀が大量に国債を買っても財政ファイナンスというわけではない。国債購入は長期金利を誘導するためであって、財政のためではない。 銀行間の支払いは中銀の当座預金の振替、と思っていたが、実務的には中銀預金を動かす前に銀行間の資金支払いはされている、らしい。このあたり、決済の実務的な仕組みと対応させて考えてみる必要がある。 量的緩和(QE)という表現はよくないように思う。大規模資産購入(LSAP:エルサップ)の裏側で起きている現象。恐慌期の信用危機に対する信用緩和政策と、不況期の景気対策の長期金利低下とは別のもの。前者にはいろいろな形がありうるが、後者は大規模資産購入の裏側として中銀預金の量的増加が生じている。 下のグラフは、リーマンショック直後の恐慌の状態と、その語の不況対策の違いがわかる。 縦軸は百万ドル、横軸は週次データ。 他にもあるが、今回はここまで。

最新の投稿

韓国銀行(中央銀行)のバランスシート(1970-2024)(2/15変更)

ゼミレポート⑤:産業資本による商業信用から銀行信用への発展:小幡『経済原論』の記述を残高試算表によって説明する

記事一覧

スウェーデン中央銀行(Sveriges Riksbank)の最近のバランスシート