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FRB(アメリカ連邦準備制度)の赤字(2025Q2まで)

以前「 FRB(アメリカ連邦準備制度)の赤字 」について 2025Q2 まで更新されたので、グラフを延長する。データ、出所などの説明は以前の記事を参照。 FRBの利息収入( 青い破線 )は2022からほぼ同水準で変動しているが、利息費用( 緑二重線 )が2023Q3から徐々に減少している。それ以外に債権(国債など)と債務(当座預金)の額を考慮する必要があるが、ここでは省略している。財務省への送金前の純所得( 赤い線 )の赤字はかなり縮小してきた。2025Q2も前期比べてわずかだか赤字は縮小し、銀行業資本として正常な状態に戻りつつあるといえる。 なお、用語の対応は、 総利息収入Total interest income、 総利息費用 Total interest expense 財務省への送金前の純所得 Reserve Bank and consolidated variable interest entities net loss before providing remittances to the Treasury 損失の場合は、 Reserve Bank and consolidated variable interest entity net loss before providing remittances to the Treasury   準備預金への利子率 Interest rate on reserve balances (IORB rate)

絶対地代(AR)と差額地代(DR)のグラフ表現

江原氏の論文 Reconstructing Marxian Theory of Ground Rent:Based on Japanese Development of MarxianPolitical Economy の研究会報告で、

U.Krause[1982] MoneyandAbstractLabour.London に“Sraffa’sexchange curve”(121)という生産価格比と一般的利潤率をグラフで表現する方法が用いられていた。これを絶対地代(AR)と差額地代(DR)の表現に利用してみる。

ARの表現

ARは外生的に価格タームで挿入されるが、生産価格の計算では価格比しか出ないので、小麦の価格でARを表現するとしてみる。

絶対地代の成立の条件や計算の基本は、過去の記事を参照。

変容論的アプローチの適用によって地代論を知識へ拡張する試みと、それに伴う地代論の再構成について

【新しい地代論4】本源的自然力タイプ2(知識など)の地代には絶対地代しかない

まず、AR無しで、小幡『経済原論』193ページの数値を用いて社会的再生産の式を表現する。小麦の生産価格をP1、鉄の生産価格をP2とする。wは時間あたりの賃金でRは一般的利潤率。

 (6P1 + 4P1  + 6w)(1+R) → 20P1    …①

 (8P1 + 4P2  + 4w)(1+R) → 20P1    …②

    5P1+5P2   →   10w                 …③

③を①、②にそれぞれ代入し、生産価格は、比しかわからないので、両辺をP2で割ってP1/P2という変数にしてみると、

 ①はR = (20 P1/P2)/(9 P1/P2+ 7) - 1          …④

 ②はR = (20 P1/P2)/(10 P1/P2+ 6) - 1           …⑤ 

次にARを外生的に4P1 としてみる。そうすると、社会的再生産の式は次の形になる。

(6P1 + 4P1  + 6w )(1+R)+ 4P1 = 20P1    …⑥

⑥の式を④や⑤のように表現すると次の式になる

R = (16 P1/P2)/(9 P1/P2+ 7) - 1  …⑦

               

小麦の生産における調整的生産条件はARがないときは④(①)で、ARがあるときは⑦(⑥)になる。④⑤⑦をそれぞれグラフにすると、ARが無いとき(X)に比べて、ARが有るとき(Y)には生産価格比が小麦で高くなり、資本の一般的利潤率は下がる。利潤率が下がるのは剰余価値が地代に分配されるからである。なお、Xは(1,0.25)である。





DRの表現

次にDRについて考える。

上記の①の小麦の生産過程よりも優等なので、投入物は同じままで生産物が多い、としてみる。

 (6P1 + 4P1  + 6w)(1+R) → 25P1    …⑧

上記の④式と同じ形にしてみると、

 ⑧は以下の形になる。

R = (20 P1/P2)/(9 P1/P2+ 7) - 1          …⑨

調整的生産条件は④(①)の式になるので、生産価格比と一般的利潤率はXである。その価格比と⑨の式との交点との差がDRになる。









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